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2006年7月23日 夏野菜で候(出揃う) [担当:山田勇一郎]

霜里農場にも夏が訪れました。
霜里農場があるここ埼玉県小川町は、気温が高いとして有名な熊谷の近くにあり、とにかく夏は暑いのです。連日最高気温が三十五度以上が続き、晴れた日中に草取りをしているとシャツのうえからでも背中がじりじりと痛むほどです。幸い東京など都会と違って日が傾くとかなり涼しくなるのが救いです。この季節になると朝は五時からの作業となり、昼食後の一番暑い時間は休憩となります。私は農場のすぐ脇を流れる槻川で泳いだり、使い古したきゅうりネットを川原の木に縛ってハンモックにして昼寝をします。

二月から温床の上で育苗してきた夏野菜たちも収穫の最盛期を迎えようとしています。

<ナス>
 
今年は千両2号と庄屋大長と白ナスを二本だけ植えています。今年のネズミ達のグルメブームはナスの芽だったらしく、双葉の状態でかなり食害されてもう一度まきなおしたので少し遅れています。


<ピーマン> 

品種は「下総2号」です。敷いてあるのは麦わらです。ナスやピーマンやトマトなどに麦わらマルチをすることにより、畝の乾燥を防ぐとともに余分な雨がわらを伝って落ちるので加湿も防げますのでうどん粉病や青枯れ病を防ぎ、雨による土の跳ね上がりから来る土壌病原菌からも守ることができます。さらに土が見えないようにしてやることで雑草もはえてきません。ただし、自分で麦を作らねばこのすばらしい農業資材は手に入りません。最近はタネやさんでも「減農薬ワラ」が売り出されていますがとてもではありませんが畝すべてにマルチをして採算が取れるとは思いません。無農薬ワラは有機複合農家にだけ許される贅沢なものなのです。

<トマト>

今年は梅雨の前半に大量に雨が降り、後半はほとんど降らなかったので、露地の大玉トマトもほとんど割れることなく収穫できています。これが逆ですと乾いたところにイキナリ雨が降るわけですからたちまち割れてしまうのです。

<オクラ> 

成長すると2メートル以上の背丈にもなる八丈オクラですが、草丈が膝下くらいから収穫が始まります。去年の後半は背が高くて背伸びをしても届かなかった収穫が、今はしゃがんで覗き込むようにして実を収穫しなければならないので大変です。

<ツルムラサキ>

 僕が大好きな野菜のひとつです。もともとは東南アジアの野菜なので、暑さが増してくると一気に伸びてきます。アスパラよりもたくさん収穫できてやわらかくて癖がなく、不思議なネバネバ感があっておしたしにするといくらでも食べられます。さらに種も安くて病気にも害虫にも強く、一面に茂ってくるので雑草もそれほど気にならず、誘引もいらず、肥料もそれほど必要としない夏のスーパー野菜といえるでしょう。

<エンサイ>

 アサガオの仲間のヒルガオ科で空芯菜ともいいます。なかが空洞になっていて油によくあっておいしいです。これも小川町の暑さもなんのその、虫も病気も寄せ付けずにどんどん伸びていきます。

<モロヘイヤ>

ツルムラサキ、エンサイに続いて夏の葉物三羽烏です。三種類ともよく作るアブラナ科でもナス科でもユリ科でもなく、ツルムラサキ科、ヒルガオ科、シナノキ科といういわばマイナーな科に属しているので輪作に取り入れやすく、非常に便利です。

<ズッキーニ>

 写真を見てこれがズッキーニだとわかった方は少ないと思います。スーパーなどで売られているズッキーニはもっと小さくて食べるとねっとりとした食感だと思いますが、ここまで大きくしたズッキーニもなかなかおいしいものです。幾分水っぽくはなりますが種も皮もそれほど硬くならず、バターとにんにくで炒めればとてもおいしいです。これは実はかぼちゃの近縁なのです。

<きゅうり>

きゅうりやピーマンがトマトと違うところは未熟な段階で食べるということです。身を取らないでそのままにしておくとへちまのように大きくなり、色も黄色に変化します。「きゅうり」は「黄瓜」からきているのです。きゅうりは年に何回もまいて霜が降りるくらいまで楽しみます。
実は去年の今頃にどうせダメだろうなあと思いながらもメカキをしたきゅうりの芽をトマトの挿し木をするようにポットに植えてみました。するとすぐに根が出てその後定植すると普通の実生と同じように収穫できたのです。しかし、周囲の疑いの目や疑いの言葉に私自身も自信がなくなっていたのですが、今年も同じように六本だけポットに挿し木をしてみました。すると三日後に6本のうち5本の木から根が出てきました。しかし猫の通り道においてしまったようでひっくり返されて結局生き残ったのは2本のみでした。うまくやれば八割くらい成功するのではないでしょうか。きゅうりの種は意外と高いのです。やすいもので一粒二十円くらいはします。我が霜里農場では一年に四回以上蒔くので数にして八百粒近くになりますから最初の一回だけ種を蒔いてあとはわきめをさしていくようにすれば大幅なコストダウンにもなりますし、大きな芽を植えることで発芽初期の瓜葉虫からの被害を免れたり、畑が二週間から三週間あけられることにもなります。どうでしょうか。自分ではかなり画期的な技術ではないかと思っているのですが、すでに実践されている方の情報、問題点などあったらおしえてくださいませ。

<ニラ>

四年目のこのニラもそろそろ葉が細くなってきました。植え替えの時期です。

人参 人参は一年中切らしたくない野菜のひとつです。年内取り用の人参の第一弾の種まきも終わり、発芽も大成功です。今回は種を蒔いた植えに籾殻をふったものと堆肥をふったものを両方試してみました。

アスパラ アスパラ栽培において一番重要な立茎をわたくし山田が担当していたのですが、不勉強がたたって太すぎるものや曲がっているものなど基準を一定にしていなかったので木が倒れたり折れたりしてしまい、アレロパシーが大量に出たためか、収量はそれほどよくありません。ただ、アスパラは前年度の立茎によって収量が左右されるそうなので去年の研修生のせいにしておきます。とてもおいしいのですが貴重品です。

ジャガイモ やっとすべて掘り終わりました。今年は生育期に雨がたくさん降ったのでからからだった去年に比べて豊作といえそうです。ごろごろと大きいキタアカリと男爵がたくさん取れました。これで秋ジャガが登場するまで安心です。

このほかにも現在セロリ、パセリ、伏見尼長トウガラシ、インゲン、大根、キャベツ、春菊、などが収穫されています。とうもろこし、ゴーヤももう少しでたべられそうです。
霜で真っ白になっていた冬に比べて、なんと農場中がエネルギーに満ち溢れていることでしょう!農場を見渡すだけで元気になります。冬にきゅうりやトマトを食べることがなんと不自然なことだったのでしょうか。この農場に来るまで当たり前のように一年中ピーマンやトマトや白菜やキャベツを食べていた僕ですが、今はそれがおかしなことだとはっきりわかりました。なにより体がほしがりません。朝五時、まだ涼しい農場を一回りして朝露のついた真っ赤なトマトを一つもいで口の中に入れる、こんなおいしいものはないのです。

夏だなあ、暑いなあと思っていても八月に入ればもう冬野菜の準備に入らなければなりません。冬キャベツ等は八月十日あたりに種をまきます。二月にピーマンの種をまいたり夏に冬野菜をまいたり、、、

金子氏曰く「農業はファッション産業ですから」


農場の猫は現在十四匹。順調に数を伸ばしています。ナレちゃんの子供の「かよこ」と「デーン」がかわいいです。どちらも元研修生の名前を取りました。
写真に写っているちいちゃんの子供は三匹いますが、名前はまだ決まっていません。


私事ですが、このページを担当させていただいていた山田がこの七月いっぱいで卒業することになりました。お世話になった方々、このページを見てくださった方々、ありがとうございました。


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